まさにドラマチック 夢の4分間と明暗分けた魔の5分間
さっそくだが、W杯で8年ぶりのベスト16に輝いたSAMURAI JAPANはFIFAランク3位の優勝候補ベルギー代表相手に予想外の善戦をした。
世界最高クラスの攻撃的MF(ほぼFW)アザールを筆頭にテラスハウスの規格外の高身長イケメンモデル、岡本至恩(公称190cm)より4cm高く、ヘディングも上手ければ、フィジカルもワールドクラスのMFフェライニさん、ミドルも打てれば、キラーパスも自在に出せるアンニュイ系MFデ・ブライネ(クロアチアの王子MFルカ・モドリッチと並んで世界最高のMF)、かつて名門チェルシーで活躍したドログバを彷彿とさせる決定力、推進力を併せ持つ今大会“最恐”クラスのFWルカク、身長も高けりゃフィジカル、ヘディングも申し分ないDFコンパニ、スラリとなが~い手足をヌンチャクのように使いこなしゴールマウスを守る世界最高クラスのGKクルトワ。
サッカー観戦は好きでもサッカーに対して明確なロジックを見出せていないにわかの自分でもそらで特別ファンでもない代表チームのことをこれだけのご託を並べて褒めちぎれる代表チームはそうそう思い浮かばない。
そんなタレント揃いの代表チームに対する日本の戦い方はサッカーを知らない人でも正しかったと思えるほどだった。
ドリブルで自ら局面打開もでき、前を向かれたらどの体勢からでも枠内にぶち込めるルカクやアザールには2人がかりでマークをし、決して枠内に打たせなかった。
さらに、ボールを持てば左サイドからDF長友が一気に上がり、MF香川とのパス交換から中央に寄せてゴールチャンスを形作る場面がなんどもあった。
前半は、ややベルギー代表にシュートやセットプレーを与えすぎた感はあったが枠内に打たれたのはわずか1本。
日本代表の相手を上回る高い組織力が実った。
そして、後半早々日本代表にとってベスト8にもっとも近付いた時間帯が訪れた。
後半3分。
DF内田篤人以来のイケメンMF柴崎がFW乾からのパスを受けると、右サイドに駆け上がっていた原口に相手DFが足を出せないくらいの強力なスルーパスを供給。
原口はこれを冷静にコントロールし、クルトワの待つゴールの左隅に弾丸ライナーを打ち込んだ。
誰もが待ち望んだ先制点が決まった瞬間だった。
しかし、日本代表はこの流れを決して後退させることはなかった。
先制点からわずか4分後。
香川が相手陣内でクリアボールを拾うといったん、乾にパス。
乾は待ってましたとばかりにPA外中央から右足を振り抜いた。
ゴール右下に突き刺さった。
クルトワもお手上げの見事なミドルシュート。
世界3位相手に2点を先行するというまさに“珍事”。
この瞬間誰もがカザンアリーナでブラジルと相まみえるSAMURAI BLUEの選手たちを思い浮かべたに違いない。
その後、さすがは今大会最多得点チーム(暫定)のベルギーだけあってこの2点差をあっさり追いついてしまった。
この同点に至るまでのプレーは日本代表の実力や運では止められないものだった(身長差を生かしたヘディングシュートだったため)ので、想定内といえる。
日本国民を現実に引き戻した魔の時間帯が訪れたのが後半アディショナルタイム4分。
途中出場の本田のCKを難なく掴んだクルトワがデ・ブライネにパスすると、日本の守備ブロックが緩くなったピッチを一気にドリブルで駆け上がる。
この時間帯での高速カウンターに、日本は対応することができなくなってしまった。
川島が守るゴール前には4人のベルギー選手が並走してきて、高速でパスを回し、勝ち越し弾を許した。
西野監督は90分で勝ち越しを決めたかったのだろう。
しかし、ベルギー代表には個の力で局面打開できる選手が多くいるのだ。そして高さもある。
高い組織力を生かすサッカーで個の力が強いチームを上回るのなら、それを貫いて同点のまま延長戦の勝負に持ち込みたかった。
組織力で点を取り、守るということはそのセオリーが少しでも崩れた瞬間相手に絶好機を与えてしまうということがある。
逆に言えば、個の力を際立たせるならその力が発揮されなければ組織力に打ち勝つことはできない。
今回は、わずかにベルギー代表の個の力が上回ったということだろう。
また、DFヴェルトンゲンの1点目のヘディングシュートのようにベルギー代表には運が味方した部分が大きい。
ただ、留意しておかなければならないのは今では正真正銘ワールドクラスの評価を得ているデ・ブライネやルカク、メルテンス、クルトワは4年前のW杯では期待はされながらも本領を発揮したことがなかった選手たち。
そういう選手たちが強豪チームに移籍してそのポジションにおいて確固たる名声を築き上げた状態で今大会を迎えた。
そんなチームに94分間リードされず、さらには2点も奪った。
この試合が日本サッカーの歴史だけでなく、W杯の歴史に刻まれる試合といっても過言ではない。
政治は、ウソをついたり誤魔化しても上っ面のご託並べたら国民はある程度コントロールできて選挙にも勝てる。(いまの安倍政権がそうであるように)
しかし、スポーツの世界ではそれはいっさい通用しない。もとより備わった能力に左右される面も否定できないが、それらを上回ることもできるということを日本代表や強豪スペインを破った開催国ロシア代表、王者ドイツを史上初のGL敗退へ追い込んだ韓国代表、FIFAランク8位のボーランドを破ったセネガル代表、史上最高の天才FWメッシ擁するアルゼンチン代表を初出場ながらドローに持ち込んだアイスランド代表が示した。
それなのに、安倍政権の功績とスポーツ界の隆盛を脳内で結びつける人たちが増えていることには残念としかいいようがない。
彼らは日本を応援するメンタルの中心に安倍晋三を置いている節がある。
日本政府、サッカー日本代表への評価は別々であるということを認識すべきだ。
GL第三戦の敗退が決まっているポーランド相手に披露した”遅延”プレーにロシアの国営テレビは「あんなにつまらないサッカカーは知らない。もう日本戦は中継しない」と怒り心頭だったが、一転して今朝の試合を「今大会最高の試合」と称賛した。
王者ドイツを破るジャイアントキリングをやってのけるもGLで敗退した韓国のメディアも日本代表の組織力の高さと食い下がりぶりを称えた。
結果的にはポーランド戦での”醜態“が今回の試合のドラマチックさを際ただせた。
確実に日本代表は強くなっている。
本田や香川、長友などジーコ、オシム以降の日本代表の中心にいた選手のなかには4年後ピッチに立つ姿を見ることができなくなる選手もいる。
そのなかで、柴崎岳や乾、大迫、原口など若い選手が今大会活躍の場を披露できたことは大きな糧となるに違いない。
4年後は、カタールのピッチに立つ秋山大地選手(C大阪)の姿を見てみたい(個人的願望)
【最後に】
サッカーできないし、まだまだ未熟な知識で語ってしまってごめんなさい。
でも、ブログって個人的な意見をひけらかす場でもあるよね?(言い訳)
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